置き場は3つ。顧客台帳1枚と、顧客コードでつなぎます。
全体像:3つの置き場を、顧客コードでつなぐ
原本・記録とルール・記帳を、それぞれ向いている場所に置きます。どこにあっても、頭に同じ顧客コード(A001など)が付いているので、AIもGASも迷いません。
台帳を見て、GASが振り分け
Googleドライブ
原本の置き場。通帳・請求書・決算書・申告書などのPDF。AIは使いません。
振り分けに要る列だけ写す
Obsidianの保管庫
文字の記録とルールの置き場。対応履歴・宿題・科目ルール・チェックリスト。
顧客コードでルールを探す
記帳ツール
お使いのもの。科目ルールを読み、直した内容を書き足す2か所だけ足します。
顧客台帳:すべての起点
列は、どこで使うかで決めます。写すの付いた列だけを保管庫の顧客台帳.md に写し、アドレスなどの連絡先はスプレッドシートから出しません。
| 列 | 例 | 使うところ |
|---|---|---|
| 顧客コード写す | A001 | すべて。フォルダ名・ページ名の頭にも付けます |
| 顧客名写す | 株式会社さくら商事 | ドライブのフォルダ名・顧客ページ |
| 呼び名写す | さくら商事、さくらさん | メモの振り分け。メモには正式名で書かれないためです |
| 区分・決算月写す | 法人・3月/個人・12月 | 年度フォルダの切り方(期か暦年か)と、点検で「今月・来月が決算の顧客」を出すとき |
| メールアドレス・ドメイン | info@sakura.example | 添付の振り分け(GAS) |
| キーワード | さくら | 件名・ファイル名での振り分け(GAS) |
| フォルダ | ドライブのフォルダのURL | 振り分けの入れ先(GAS) |
顧客コードは一度付けたら変えず、契約が終わっても使い回しません。過去の記録とフォルダが、ずっと同じコードでたどれます。
Googleドライブ:原本の置き場
顧客ごとに「受け取る場所」「年度をまたぐもの」「年度ごと」の3つに分けます。法人は決算期ごと、個人は暦年ごとです。
GOOGLEドライブ
- 顧問先/
- 00_未振り分け/GASが決めきれなかったものだけ。推測では入れない
- A001_株式会社さくら商事/
- 00_受信/GASが入れるのはここだけ
- 01_契約・届出/顧問契約・委任状・届出の控えなど、年度をまたぐもの
- 2026年3月期/法人は決算期ごと
- 01_預かり資料/通帳・請求書・領収書
- 02_記帳/仕訳のCSV・元帳・試算表
- 03_決算・申告/決算書・内訳書・申告書・受信通知
- 04_給与・年末調整/受けている顧客だけ
- 2025年3月期/
- A003_あおばデザイン(青葉 陽子)/
- 00_受信/
- 01_契約・届出/
- 2026年分/個人は暦年ごと(中の分け方は法人と同じ)
- 管理/
- 顧客台帳スプレッドシート(正)
- 振り分けログどれを、なぜそこへ入れたか
Obsidianの保管庫:記録とルールの置き場
記録とルールは、Obsidianの保管庫(中身はただのフォルダ)に置きます。税理士業務では、期ごとに先生が決めたことを残す「決算・申告メモ」と、顧客名を書かない「事務所の知識」が効きます。
OBSIDIANの保管庫
- 顧問先ノート/
- CLAUDE.mdなし保管庫のルール。AIが最初に読む
- 顧客台帳.md写し(顧客コード・顧客名・呼び名・区分・決算月)
- 00_受信箱/あり面談・電話・Meetのメモを放り込むだけ
- 処理済み/あり整理が終わったメモ。原文はここに残す
- 顧客/あり
- A001_さくら商事/
- 顧客ページ.md基本情報・対応履歴・宿題
- 科目ルール.md科目・補助科目と、その変更履歴
- 決算・申告メモ.md期ごとの論点と、先生が決めたこと
- A001_さくら商事/
- 共通/なしどのAIにも、そのまま渡せる
- チェックリスト/申告前(法人・個人)・消費税・年末調整
- 業務の手順/月次・決算・年末調整・確定申告の流れ
- AIへの共通メモ.md各AIから書き出した記憶・好み
- よく使う頼み方.md
- 事務所の知識/なし改正・通達・研修のメモを論点ごとに。出典つき
- 要確認.md ・ log.md
- .claude/なし
- skills/受信箱の整理・点検など
- settings.json読ませないフォルダの設定
1年の流れに当てはめると
どの時期も「原本はドライブ、記録とルールは保管庫」の分け方は同じです。AIに頼むのは、整理と、抜けの洗い出しまでです。
| 時期・業務 | 原本(ドライブ) | 記録とルール(保管庫) | AIに頼むこと(例) |
|---|---|---|---|
| 毎月:資料の受け取り・記帳 | 00_受信 → 01_預かり資料・02_記帳 | 科目ルール.md を読み、直したら書き足す | 科目ルールを読んでから、この通帳を仕訳して |
| 面談・電話のあと | — | メモを00_受信箱へ → 顧客ページの対応履歴・宿題 | 受信箱を整理して |
| 決算・申告 | 03_決算・申告 | 申告前のチェックリスト → 決算・申告メモ | チェックリストを当てて、引っかかった所を一覧に |
| 年末調整(12〜1月) | 04_給与・年末調整 | 年末調整のチェックリスト | 資料がそろっていない顧客を一覧に |
| 確定申告(2〜3月) | 個人の「2026年分」 | 個人の申告前チェックリスト・決算・申告メモ | 前年のメモと比べて、今年確かめることを出して |
| 月に1回 | 00_未振り分けを空にする | 要確認.md・止まっている宿題 | 顧客ページを点検して |
台帳に決算月を入れておくと、点検のときに「今月・来月が決算の顧客で、資料がそろっていないのは?」まで出せます。引っかかった所をどうするかは、先生が判断します。
前半のフォルダ構成は、私が毎日使っている仕組みを税理士業務に当てはめたものです。
wikiとは:探し直さず、育てる
考え方の元は、Andrej Karpathy さんが公開した「LLM Wiki」。資料を毎回AIに探させるのではなく、一度整理したページをAIが更新し続ける、という考え方です。
毎回、探し直す
聞くたびに資料をAIに渡して、その場で探させる。答えはその場限りで、次に聞くときはまた一から。資料が増えるほど、遅く不確かになります。
一度整理して、育てる
新しい資料が来るたびに、AIが関係するページを書き足す。目次とログがあるので、次はページを引くだけ。使うほど育ちます。
AIは書き換えない
目次とログつき↻ 月1回の点検
人は放り込むだけ。続かない原因になる「きれいに書く」をやめます。
全部ただの文字のファイルなので、どのAIにも渡せて、そのままバックアップになります。
整理が間違っても、いつでも元から作り直せます。
私のwiki(2026年11月時点)
私が書いているのは日報だけです。整理はすべてAIが行っています。
私の保管庫(フォルダの形だけ)
- 保管庫/
- CLAUDE.md運用のルール。AIが最初に読む
- 00_Inbox/生思いついたメモの一時置き場
- 01_Daily/生日報・週報・月報
- 03_Input/生Web記事・PDF・書き起こしの切り抜き
- wiki/AIが整理・更新するところ
- sources/9切り抜き1本ごとの要約
- entities/40人・会社・サービスのページ
- concepts/66考え方・原則のページ
- synthesis/26いくつかをまとめた考察
- index.md全ページの目次
- log.mdいつ何を整理したか(追記だけ)
- output/提案書・レポートなどの成果物
- .agent/skills/決まった作業の手順
先生の事務所に当てはめると
前半の保管庫は、このwikiの顧問先版です。置き場の役割は、そのまま対応します。
| 私のwiki | 先生の保管庫(顧問先ノート) |
|---|---|
| 日報・切り抜き(生の記録) | 00_受信箱 → 処理済み(面談・電話・Meetのメモ) |
| 人・会社のページ | 顧客/ の顧客ページ・科目ルール |
| 考え方・原則のページ | 事務所の知識/(論点ごと・出典つき) |
| まとめた考察 | 決算・申告メモ、育ったチェックリスト |
| 目次(index.md) | 顧客台帳.md |
| ログ・ルール・スキル | log.md ・ CLAUDE.md ・ .claude/skills/ |
育ってくると、こんな聞き方ができます
AIが出すのは、候補と、どこに書いてあったかまでです。税務の判断は先生がします。実際の顧客データでAIを使うときの考え方は、次の章にまとめました。
データの扱い:守秘義務と両立させる
データが外に出ない順に、4段階で考えます。上から順に検討し、下に行くほど慎重に扱います。
- AIを使わない仕組みで解決する台帳とGASの振り分けはここ。データはGmail・ドライブ・スプレッドシートの中だけで動きます
- Google Workspaceの中で完結させるすでにお使いの環境の中で、できることを先に使います
- 手元のパソコンの中で処理するObsidianのファイルは手元にあります。どこまで手元で済むかを先に考えます
- 外のAIに渡すときは、置き換えと確認をしてから顧客名を顧客コードに置き換えて渡します。お使いのプランと「入力を学習に使うか」の設定も、先に確認します
Claude Code も、整理するときは中身をAIの会社(Anthropic)に送って処理しています。保管庫の「あり」のフォルダを渡すときは、4段目として扱います。各AIの学習の設定はプランと時期で変わるので、使う前に確かめてください。
始める順番
どれも前のものの上に乗るので、この順だと手戻りがありません。全部をそろえてから始める必要はなく、1つずつで効き始めます。
- 顧客台帳を作る顧客コード・顧客名・呼び名・区分・決算月・アドレス・フォルダ
- メモの行き先を、受信箱1か所に決める面談・電話・Meetのメモは、整えずに放り込むだけ
- 1社分だけ、科目ルール表を作る記帳のときに読ませて、直したら書き足す。うまくいったら他の顧客へ
- 申告前のチェックリストを書き出す今、頭の中で見ている観点を箇条書きに
- 事務所の知識を、論点1つから次に調べた改正や通達を、出典つきで1ページにする